ヨガで大切な「プラーナ」とは?呼吸との関係や種類も解説

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この記事では、ヨガの呼吸をする際に大切な「プラーナ」についてご紹介します。

プラーナとは、人間に流れるエネルギーです。プラーナは呼吸をガイドにして、自然と人の間を巡る役割があります。この自然に動くプラーナのコントロールは、ヨガにおいて非常に大切な要素となります。

「もっとヨガの呼吸法が上手くなりたい」「さらにヨガを深めたい」という方は、ぜひご覧ください。

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プラーナとは

ヨガでいうプラーナとは、「エネルギー」のことです。エネルギーとは、電気やガスだけではありません。「何かを変化させる」という力も、エネルギーになり得るのです。「明かりが付く」「食材が冷える」「椅子が移動する」など、変化があるところには必ずエネルギーが働いています。

それは、私たち人間も同じです。私たちは常に食事をしたり、外へ出かけたりと変化し続けながら、エネルギーを発しています。

ヨガにおいては、肉体という入れ物に「プラーナ」が流れて、はじめてさまざまな変化が起こせるという考え方です。

じっとしていても、血液が巡ったり、呼吸をしたりして、私たちはプラーナを働かせ続けています。

呼吸とプラーナの関係性

では、絶えず自然に動き続けるプラーナをコントロールすることはできるのでしょうか。それを実践するのが、呼吸です。「プラーナーヤーマ(プラーナの制御)」といわれるものです。

古代人は、プラーナのコントロールが呼吸を用いて行えることに気がつきました。プラーナは大自然そのものであるため、人と身体のプラーナの交換を呼吸に託しました。呼吸は大自然のエネルギーを身体に取り込み、体内のプラーナを自然に戻すというシステムです。

プラーナーヤーマは調気法ですが、方法としては呼吸をガイドにしているといえます。そして、さまざまなプラーナーヤーマを見出し、コントロールの目的に応じ使い分けています。

ヨガでプラーナが大切な理由

プラーナがヨガで大切なのは、常に動き続けるプラーナの調整方法がヨガだからです。万物は常に変化します。プラーナが正常に動いていれば、私たちの心身は健康に保てます。

そのため、プラーナを意識し、調整していくことで、ヨガの効果が高まると考えて良いでしょう。

身体にはプラーナの通り道がある

身体の中には、プラーナの通り道があります。これを「ナーディ」と呼びます。ナーディの数は7万2000本、35万本、14の主要な気道が存在するなど、古典によって異なります。

ナーディのなかで最も重要といわれているのは、「スシュムナーナーディ」「イダーナーディ」「ビンガラーナーディ」の3つです。スシュムナーは背骨に沿って身体の中心を貫くように存在し、スシュムナーの周りをイダーとビンガラーが交差しながら流れています。

プラーナの5つの種類

プラーナには、5つの種類があります。それが「ヴィヤーナ」「ウダーナ」「プラーナ(狭義)」「サマーナ」「アパーナ」です。

それぞれ、主に血液循環、発声、呼吸、消化、排泄、という人間が生きていくうえで欠かせない機能に関わっています。これらの流れが滞りなく動いていることで、心身の健康が保たれます。

ヴィヤーナ

ヴィヤーナは、全身を大きく循環するプラーナです。その力で血液を身体全体に巡らせ、分配しています。現代の生理学では、リンパ系と循環機能を生み出しているといわれています。

ウダーナ

ウダーナは、喉から頭部にかけて働いているプラーナです。エネルギーを高揚させる働きがあります。発声やゲップをさせたり、気持ちをポジティブにする力を発揮させたりする動力でもあります。生理学では、喉や情報伝達の機能に関係しています。

プラーナ(狭義)

生命活動の中心部分である心臓や頭部にかけて働いているプラーナです。五感・知性・感情を感じさせる力を持っています。息を吸う際、プラーナは成長と生成のために呼吸されます。生物学では、胸と肺と関係して呼吸機能を生み出しています。

サマーナ

サマーナは、胃腸周辺で働いているプラーナで、食べたものを消化したり、呼吸をさせたりする力があります。栄養を平等に分配し、新陳代謝も生み出し毎日身体を新しくさせてくれます。プラーナとアパーナが混ざり合ってサマーナが生じます。生物学では、胃の働きと思考する機能を生み出しています。

アパーナ

アパーナは、骨盤内で働いているプラーナで、排泄や生殖をさせる力があります。老廃物と毒素が、息を吐くときに排出されるように働いています。生物学的には、生殖器、肛門、下肢、排泄する機能を生み出しています。

呼吸とプラーナの気になる質問

ここでは、ヨガの呼吸とプラーナについて、気になる質問をまとめてみました。ぜひヨガの呼吸を行う際の参考にしてください。

鼻呼吸と口呼吸、どちらが良い?

基本的には鼻から吸った方が良いとされています。

鼻には、空気清浄機と加湿器の役目が備わっているからです。逆に口呼吸の場合、口内が渇くと唾液が持つ殺菌効果が薄れ、ばい菌が繁殖する恐れがあります。それにより免疫力が低下しさまざまな病気を引き起こすこともあるので、注意しましょう。

ベストな呼吸は、鼻からゆっくりと吸い、鼻・または口からゆっくり吐くことです。

深い呼吸と浅い呼吸はどちらが良い?

深い呼吸が良いでしょう。

深い呼吸の方が、圧倒的に取り込める酸素量が多くなります。意識して深い呼吸を行い酸素量を増やすことで、心身に多くのプラスをもたらします。

胸式呼吸と腹式呼吸、どちらが良い?

腹式呼吸です。

胸式呼吸の場合、空気が肺の上側に入りますが、腹式呼吸の場合は、空気が肺の下側に多く入ります。肺の下には多くの血液が流れており、空気中の酸素を血液に結びつけ、血液中の二酸化炭素を肺へ送り出す働きをしています。この働きにより、空気中の酸素は肺中の毛細血管で血液中の多くのヘモグロビンと結びつきます。そして血液が酸素を体の末端まで運び出すことで効率の良い代謝ができ、老廃物も排出できるようになります。

このため、血液の多く流れる肺の下側まで酸素を送り込むことができる腹式呼吸の方が浄化作用が高いといえるでしょう。

まとめ

以上、人間の体内に流れるエネルギー「プラーナ」について紹介しました。

ヨガの呼吸法により、身体全体のプラーナを調整、心身の調和を取り戻すことができます。身体に「プラーナ」が流れていると意識することで、ヨガの効果は格段に高まるでしょう!

参考:『ヨガが丸ごとわかる本』(2016)枻出版 Yogini編集部