ヨガの呼吸について解説!種類別の呼吸法も紹介

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ヨガのポーズを行う際に欠かせないのが、「呼吸」です。ポーズの形よりも、まず呼吸法がきちんとできているかの方が重要だといわれるほどです。

この記事では、呼吸の方法や大切さといった、ヨガを実践するうえで知っておきたい呼吸のあれこれを解説します。「自分の呼吸がうまくできているのか分からない・・・」「呼吸を意識する意味って?」と疑問を持っている方は、ぜひご一読ください。

ヨガで呼吸が大切な理由

ヨガでは、自分の意識を呼吸に集中することで、日頃外に向いているマインドや感覚を内側へと向けることができます。鼻や口などの呼吸器官は、自分の内側に流れるエネルギーが出入りする場所です。

呼吸を意識することで、鼻から吸ったエネルギーが自分の身体の内側にどのように浸透していくか追うことができ、呼吸のコントロールができます。呼吸がコントロールできるようになると、ヨガの実践に非常に役立ちます。そのため、ヨガにおける呼吸法が大切だとされているのです。

ヨガの呼吸で意識する4つのこと

この章では、呼吸について意識したいことを「腹式呼吸」「吐く息」「鼻呼吸」「調気法」という4つの項目にまとめました。

腹式呼吸

呼吸で意識すべき一つ目の事項は、「腹式呼吸」です。腹式呼吸とはヨガの代表的な呼吸法で、鼻からゆっくりと息を吸い込み、肺の下部を息で満たす呼吸法です。

腹式呼吸は、内臓を元気にし、全身の血行を良くします。心臓、肺以外の内臓はすべて、横隔膜の下にあります。腹式呼吸は、息を吸った際に肺と横隔膜が押し下げられ、内臓も押し付けられます。一方息を吐くときは、胸の方に引き上げられ、お腹はへこみます。この反復により内臓が大きく上下し、血液やリンパ液の流れを促進します。冷え性や便秘が起こるのは、下腹部の血液の循環が悪くなるためです。全身の血行を良くする腹式呼吸を行えば、健康上の悩みの改善が見込めます。

また、腹式呼吸は特に肺の下部を使用するので、肺を健全に保つことができます。そのため、風邪やインフルエンザ、肺炎予防も期待できます。

吐く息

次に呼吸で意識すべき点では、「息」です。ヨガスタジオではよく、「息を吸うときよりも吐く時間をなるべく早く」と指導されます。

息を吸うときは交感神経が優位になり、全身に「緊張せよ」と指令が出され、筋肉が硬くなります。そのようなときに息を長く吐き筋肉を緩めるようにすると、身体が柔らかくなり、しなやかなポーズを取ることができます。

このように、長く息を吐くためにも腹式呼吸が欠かせません。最低目標15秒、できれば30秒、1分間に2呼吸を目指しましょう。

鼻呼吸

呼吸で大切な3つ目の要素が、「鼻」です。鼻呼吸をすることにより、頭が冷静になり、落ち着いてヨガを行うことができます。

脳は筋肉よりも熱を発しやすく、熱に弱い脂質でできています。鼻腔の奥には脳と繋がる毛細血管が通っています。鼻呼吸で冷たい空気を毛細血管に通過させることによえい、脳を冷却することができます。 

口呼吸の場合、脳に熱がこもり充血し、思考力が低下することがあるので注意が必要です。

調気法

4つ目は呼吸法ではなく「調気法」です。

調気法は、ヨガを深める「八支則」の4つ目に位置するものです。ヨガの根本経典「ヨーガ・スートラ」に「調気とは呼息と吸息の流れを断ち切ることである」とあるように、吸う息と吐く息の間、息を止めている時間に、生命エネルギーである「プラーナ」が全身を巡ります。

プラーナとは「気」と呼ばれるもので、空間に満ち、体内を流れ、遠くに伝わる性質があります。いきいきした流れですが、安定もせず、日々刻々と状態が変化していきます。それゆえ不摂生したり、悩みや不安などの考えに囚われている時は、プラーナの流れは滞っているとされます。一方透き通った空気を浴びた後などは、プラーナの流れが整い、身体も心も軽く感じられることが多いです。

このように、身体と心の両方に深く関係しているプラーナ。意識してコントロールできれば、身体も心も自由になり、ヨガの実践にも役立つでしょう。

ヨガの呼吸の種類8選

ヨガの呼吸法には、さまざまな種類があります。その中でも代表的な呼吸法を8つ紹介させていただきます。

1.腹式呼吸

前述したように、腹式呼吸は「意識をおへそに集中させ、鼻からゆっくりと息を吸い込み肺の下部を息で満たす」呼吸法です。腹部を強く引き締め息を吐くことで、横隔膜が肋骨側へ引き上げられます。これが具体的なヨガの腹式呼吸で、内臓のマッサージ、冷え性や便秘の改善に効果があります。リラックス効果が得られるので、ストレスを抱えている方や苛立ちやすい人におすすめです。

2.胸式呼吸

胸式呼吸は、肋骨の前進後退運動により肺を圧迫し、空気を出し入れする呼吸法です。胸で吸うと身体が肋骨を引き上げようと意識するので、自然と胸を張ることになります。そのため、姿勢改善に効果があります。胸式呼吸をする際は、背中全体をリラックスさせることで、腰への負担を軽減できます。胸がすっきりとするので、ストレス軽減が期待できます。

3.完全呼吸

完全呼吸は、「腹部」「胸」「肩」「喉」までを意識し、肺の下部・中部・上部すべてを使って行う呼吸法です。胸と腹部の境目である肋骨の一番下を意識し、膨らませるように息を吸います。その後、ゆっくりと吐きます。この際、呼気がどこに入っていくか意識することが大切です。最大限空気を入れるので、肋骨が広がり横隔膜がほぐされ、横隔膜が上下するので内臓をマッサージする効果があります。

4.ハタ呼吸

ハタ呼吸とは、体内の陰(月)陽(太陽)のバランスを調整して行う呼吸法。ハタのハは「太陽」、夕は「月」といった意味があるとされています。右手の親指を右の小鼻、薬指と小指を左の小鼻に当てて、人差し指と中指は軽く眉間に持っていきます。右ヒジを左手で押さえ安定させ、両鼻から息を吐ききり、その後、自分に合った呼吸をします。右から吸うときは身体を温め、左からのときは身体を冷やすといわれているので、意識して行ってみましょう。

5.丹田呼吸

丹田呼吸は、へそから握り拳一つ程度下にある、「丹田」を意識した呼吸法です。最初は口を尖らせ丹田から息をゆっくり絞り出すように吐きます。息を吐くにつれて腹部がへこみ、腹筋が硬くなっていくのを感じましょう。腹部と背中がくっつくように、吸うときは丹田を膨らませるように意識することが大切です。深層筋を鍛えたり、姿勢を整えたりする効果があり、気持ちも前向きにしてくれる呼吸です。

6.マントラ呼吸

マントラ呼吸は、頭の中で言葉(マントラ)を唱えながら、すべての意識を呼吸に集中させる呼吸法です。雑念や邪念を追払い、心を浄化します。呼吸とマントラを組み合わせ深く呼吸し、意識を高めていきましょう。マントラとは言葉や呪文のようなもので、呼吸に変わって意識の焦点を定めるを定役目を果たします。息を吸うときは「アー」、吐くときは「オーム」と頭の中で唱えるのが一般的です。心の音に集中することで、より深い瞑想状態を得られます。

7.ウジャイー

ウジャイーは胸式呼吸の一つで、気の流れをコントロールする呼吸法です。息を吐くときもお腹をへこませ、口を閉じたまま舌先を巻きます。鼻から入った空気が通り、喉の後ろの気管を細くするイメージで腹圧を高めて行います。「吸う」「吐く」ときの長さは均等になるよう心がけましょう。喉の奥を空気が通る際の「スー」という音に集中することで、さらに意識が高まります。

8.シータリー

シータリー呼吸法は、冷たい空気を体外から取り入れ、体内の温かな空気を排出する呼吸法です。「シータ」はサンスクリット語で「熱を冷ます」「冷却」などの意味があります。 ヨガの呼吸は、基本的に鼻呼吸が基本ですが、シータリーは口から吸い、鼻で息を吐きます。上半身をリラックスさせて息をすベて鼻から吐き出し、ストローで吸うイメージで「シー」と音を立てながら、ゆっくり口から吸っていきます。舌に冷たい感覚が残り、10回ほど繰り返せば体内が冷えていきます。蒸し暑くて頭が熱っているときなどに即効性のある呼吸法です。

呼吸の質問あれこれ

ここでは、ヨガの呼吸でよくある質問についてまとめました。

レッスンで呼吸のカウントになかなか合わせられません・・・

カウントはあくまで目安です。目安とし参考しても良いですが、気にしすぎ内容にしましょう。自分なりのリズムで、リラックスできる呼吸のカウントを探っていくことが大切です。

腹式呼吸は精神の安定にも効果がありますか?

腹式呼吸には、意識を落ち着かせる効果を持った呼吸法です。息を吐くことを重視しながら腹式呼吸でゆっくりと呼吸していくと、自律神経のバランスを整える効果が得られることもあ流ようです。その結果脳内で精神を落ち着かせる物質の分泌が促され、精神安定につながることが期待されます。

日常生活でもヨガの呼吸法を意識するべきですか?

紹介したのはヨガの呼吸であり、必要に応じて使い分ける物です。日常生活では、自然な呼吸で問題ないでしょう。また、日常で自分がどんな状況のときにどういう呼吸をしているのか、心の変化がどう呼吸に影響しているのか意識して観察すると、呼吸のコントロールに役立つでしょう。

まとめ

以上、ヨガの呼吸法の大切さや意識するべきことについて解説しました。

ヨガの呼吸は、慣れが99%、残り1%がコツといわれています。ヨガを継続することで、リラックスできる呼吸法が掴めるようになるでしょう。

呼吸法の習得にかかる時間は、コツや呼吸の意味を知っているかによって変わります。ぜひ呼吸法のコツをマスターし、ヨガの実践に役立てましょう。

参考:『ヨガのポーズが丸ごと分かる本』(2007)枻出版 編集:yogini編集部